「りんくうシークル」の最終日。
最後の楽しみは、りんくうの湯。
りんくうの湯で、シークルの思い出に浸ろうと向かったのだが……
計画は崩れ、想定外の思い出が残った。
最終日の計画
最終日、日付が変わる時まで、りんくうシークルに居ようと計画した。
具体的にはこうだ。
18時頃に、りんくうシークルに到着。
さらりと施設の最後を撮影。きっと、ショップの棚は空になっているはずた。
19時すぎに、りんくうの湯に入る。
サウナでロゥリュウを楽しむ。きっと最後だから混んでいるはず。
サウナの段違い席に、ツバメの雛のようにオッサンたちが並ぶはず。
塩サウナで、醜いボディーを揉むんだ。
炭酸泉でウトウトして、
露天の岩塩風呂で、夜空を見上げて思い出に浸る。
23時40分頃に脱衣所で服を着て
24時の最終閉店で、
「さようなら」
と唱えて後にする。
日が変わったところで、
闇に沈黙する観覧車を拝み、
車で駐車場を一周して退場。
そんなことを考えていたんだ。
出かける用意
17時30分頃、そろそろ出かけるかと風呂セットを用意する。
風呂代は、りんくうの湯会員ポイントを清算してゲットした
「りんくうの湯、ご入浴ご招待券」が1枚。
ネットをググって見つけた割引クーポン1枚。

つまり、バカ夫婦の一人分は支払いが発生するんだ。
すると、りんくうシークル最終日の日時が記されたレシートが手元に残る。
そんなレシート、どうせ大切に保管せずに、どこかへ無くすんだけど……
最終日にりんくうシークルでなにかした記録を残そうとしてみたいんだ。
さて、靴を履いて、玄関を締める。
戸締り良し、忘れ物無し。と指さし確認。
りんくうシークルへ向かったのだった。
なにかが違う
最終日だから混んでいるかも?
でも、買い物時間帯ではない。
多くの客は帰路についているはず。
それと入れ違いの行動だから、
まあー混んでいても、日曜日の昼間のようなことにはなっていないだろう。
そんなつもりで車を走らせている。
そもそも、土日は、りんくうアウトレット・プレミアムの渋滞もあるので、
地元の利で、裏道を通ってスイスイとゲートに近づいた。
18時ちょっと前に、りんくう敷地の横まで車を走らせていた。
嫁が言うんだ。
「カメラがある。警察がいる。」
こんな時間に、スピード違反取締をしとんのか?
いや、りんくうシークル最終日だから、トンチンカンな暴走車が出て来るとかの警戒なんか?
と、なが~ンは返答するが、嫁は辺りの観察に夢中で答えてくれない。
今日は車が多いな。
それも運転が殺伐としているのが多い。
どういうこった?
この信号を曲がれば、すぐそこという交差点で突然の渋滞。
嫁が囁く。
「今日って、何かあるの?」
「だって、あんなにカメラがあるで。」
スピード違反のカメラが沢山あるわけないやろ。
って、歩道の人混みを見つめたら
ちゃうやん。
夜空を見上げた、長玉の一眼レフ。
三脚立てて、それって、本物のカメラ撮影連中じゃん。
これは、どういうこと?
花火
“臨海南2号交差点”での信号待ち。
「りんくうアウトレット・プレミアム」と「りんくうシークル」を繋ぐ歩道橋がある大きな交差点。
事実上の”りんくうレジャー”の中心部。
その場所で……
ヒューッ。
ドーン。
パーン。
バラバラバラバラ。
本当に目の前で大きな花火が上がった。
信号待ちしている間に、
ドドーン。
ダーン。
嫁に撮影しろと指示を出す。

私の眼は、辺りの観察。
これは、とんでもないところに突撃している。
よりによって中心部で、信号待ち停車。
これ、とってもまずい事態だ。
車を揺する巨大な破裂音がこだまする。
音に惹かれて、多くの人がこの交差点に集まってくる。

まるでゾンビだ。
辺りの建屋からゾンビのように湧き出てくる。
うそーっ。
花火が上がるなんて聞いてないよ。
脱出
交差点をまっすぐ突っ切ることができればいいのだけど、
すでに右折れ車線に入っている、それも先頭から2台目だ。
曲がった先が、車のふんつまりではありませんように。
青信号で進みだした。
目の前は、盛大に花火があがる。

ゾンビを呼び寄せる大きな爆発音が車体を揺する。
曲がった先は、
赤いテールランプが連なっている。
えーっ、道にこんなに車が湧いているの。
あかん。これはあかんぞ。
ゾンビもだけど、これは車も右往左往に集まってきて脱出不能になるぞ。
まだ、片側車線だけの渋滞で住んでいる。
中央車線は通行できる。
さっさと脱出するぞ。
りんくうシークルの敷地外周をくるっと回る。
りんくうシークルの駐車場では、ゾンビの群れが花火に向かって行進している。
道の歩道も、闇に浮かぶ明かりを見つめ、高揚したゾンビが沸き立った。
道の脇に停車している車からもゾンビが出てくる。
ダメだ。これはダメだ。
脱出。
ゾンビの群れが消えた。
交差点を横切る車は、皆、花火に釘付けになっている。
私が逃げ出した脇道に飛び込む車が多数。
ほら、ゾンビがどんどん増えてきた。
さっさと、りんくう地区から遠ざかろう。
ダイエー
数Km離れた、スーパー、ダイエーの駐車場へ逃げ込んだ。

建屋には大きくダイエーの看板が光る。
背景の夜空”SISりんくうタワー”と”打ち上げ花火”が並ぶ|ダイエー泉佐野店|大阪府泉佐野市湊|2026年10月31日撮影
泉佐野の空気を爆音が包む。
ドーン。
遠くで外輪が瞬く。

はあーっ、どうしてこんなことに……
半額食品ゲットツアー
仕方なく、半額食品をゲットするコースを巡り始める。
でも、土曜日、それも月末に、半額食品は残っておらず。
立ち寄るお店の駐車場。
ドーン。
爆音が響く。

花火の音が包む闇を家路についた。
反省会
帰宅してから、なんでこんなことになったんだ?
つまり反省会だ。
嫁はコーヒーを入れてくれた。
インスタントコーヒーをお湯に溶いただけだけど。
私はとっておきの輸入菓子を出す。58円で買ったんだけどね。
お菓子を食べて脳みそを落ち着かせるのだ。
これブログネタにするから、反省会の写真として卓上を撮影するぞ。
そのままちょっと待ってて。
スマホを取りに行って戻ってきたら……
嫁がニコニコしてなにかを握っている。
こやつ……
そのままちょっと待ってと言ったのに、袋を開けてやがる。
お菓子が戻されたけど、袋は元に戻らない。
ええわい。今日はこういう星の下ってことだ。

で、反省会としては……
花火知ってたか?
知らんかった。
花火があることを知っていたら?
朝風呂でりんくうシークルに行っただろう。
自宅屋上から花火を見ただろう。
で、シークル最終日の思い出は?
……。
残ったもの
花火は遠くで鳴り続けていた。
最後の日を普通に過ごそうとしたら、
最後の日すぎて近寄れなかった。
観覧車も、
りんくうの湯も、
海の香りも、
人波の向こうに置いてきた。
半額惣菜も手に入らないまま、
家へ帰った。
手元に残ったのは、使われなかった
「りんくうの湯 ご入浴ご招待券」

本当なら、
ブログを書いている今頃は、湯船に浸かっていたはずだった。
嫁はふてくされて布団に潜り込んだ。
最後の日の記念として残そうと思っていたものは何も残らず、
最後の日に使うはずだった券だけが残った。
それも、
「りんくうの湯 ご入浴ご招待券」に押印されている
有効期限のハンコが滲んでいる。

オイラの目が滲んでいるんじゃないよな。
なんで、お前が滲んでいるんだよ。

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